「パリから帰国しました。そして思うこと。」世界を旅するデザイナーが指導する美大受験予備校ブログ

パリから帰国しました。

やっと時差と季節ボケが治ってきました。
今年のパリでのデザイン研修は、とても思い出深いグランガルル1期生が全員参加してくれました。武蔵野美術大学、多摩美術大学、筑波大学芸術、京都造形大学から参加とガルルを卒業した美大生たちが少し大人になり、頼もしくなって来てくれました。

そして一夏のパリ滞在中にさらに一回り大きくなったように感じるのでした。
「かわいい子には旅をさせよ。」

パリ校では、1つだけ僕自信のマイルールがあります。
それは参加した生徒たちに失敗経験をあえてさせるということです。成功はたまたま成功したのかもしれないけど、失敗というものには必ず理由があります。そしてよくよく考えると回避もできたはずです。何もかも常識が異なる海外では、次から次へと分からないことに直面します。自分で考えて行動し、毎日小さな失敗をいっぱい重ねていきます。大変なことになりそうな時は、さすがに注意を促しますが、小さな失敗なら「あっこれは失敗するだろうなあ。」と思っても黙って手を出さないことに徹しています。結構これが難しいのですけどね。ついつい言いたくなっちゃいますからね。

 昔むかしのこと、僕がシャープという家電メーカーでデザイナーをやっていたころの話です。僕のチームの部長がデスクの周りの盆栽を切りながら新米だった僕に言ってくれました。「言いたいことが10個あっても、実際に言っていいのは1つだけ。それが人を育てる秘訣だと。」
今でもその光景を鮮明に思い出しては、今の指導の基本としています。

 ちなみに若造だった当時の僕は、部長の大切にしていた湯のみをうっかり割っちゃったことがありました。床に散らばった破片をあわてて隠そうとしてたら、運悪く部長が通りかかって見事に見つかってしまいました。その時も部長は「形あるものはいつかは壊れる」と一言だけ言われて、ニコっと僕をみて会議に行ってしまわれました。

人の上に立つ人の寛容さは大きい。
そういうのを器の大きさなんだなあ。。と思ったものです。
部長ははたからみると、マンガのキャラのようにデスクの周りに盆栽をたくさん並べて、いつも暇そうに盆栽をカットしてる人と見えたかもしれません。でも今になって部長が盆栽を切りながら、常に冷静にスタッフの様子を伺い指示を出していたことに気づかされます。盆栽というのは言いたいことを抑えるための部長なりの手段だったのかもしれませんね。

 名門画塾グランガルルは呆れるくらい自由で決まりがありません。「僕は高校生は大人だと思っています。」それは入会時にみんなによく言うことばです。そしてアトリエで生徒を怒ることも決してありません。それは僕と言う人間を育ててくれた多くの師匠たちから学んだことだからです。
怒らなくても人を育てる方法がたくさんあるということを。



パリのアパートメントにて
ちょと大人になったガルル1期生



毎夜眺めたエッフェルさんの作品




7.Sep 2016 パリから帰国して徒然なる日常にて思うこと。Designer たけきよ




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