町のデザインについて・美術と美観

美しかったという日本の町
かつて世界中から来た旅人が、日本の景観の美しさに息を飲んだといいます。
でも、現代は僅かに残るのみで少し寂しい気がします。


美しかった日本の町は、前大戦でほとんど焼失しました。
そして替わりに立てられていった無秩序の近代建築によって、日本の町はまるで子供がおもちゃ箱をひっくり返してしまった部屋のようになりました。



都市のデザインには、個人が自由にデザインするのではなく、自然の景色がそうであるように、人の心が安らぐにはある種の統一されたデザインが必要です。人は自然の一部なので、生活する空間には一定の秩序が重要なのですね。



チェコ共和国という国があります。
場所、分かりますか?
首都プラハと言ったら、少しピンと来るかもしれませんね。
オーストリアの上、ドイツとポーランドの下です。
伝統と芸術の国







チェコが好きで、仕事も含めてもう十数回行っています。
その中でも、今日はお気に入りの田舎町を少し紹介したいと思います。
チェスキークルムロフという南部の町です。ほんとに美しい小さな町です。
いにしえの城下町で、中世ヨーロッパの面影をそのまま保っています。
世界遺産にも登録されている古都。




夏になると、城下を流れる川はカヌーを楽しむ人々でいっぱい。




お城と城下町の中をぐるぐると川が流れます。水面のまどろみを眺めながらでカフェでビールやティータイムをたくさんの人々が楽しんでいます。ちなみにこのお城のお堀には熊が放たれています。お堀の上から熊を見ていると、隣にいた韓国人の女の子たちが「クマー!クマー!」と叫んでいました。韓国語でもクマはクマなんですね(笑)


町の周囲は、美しい遊歩道。目的無くブラブラするのは最高です。



ヨーロッパの住宅街で多く採用されている石畳。
居住空間は、まるで森に暮らすようでなくてはならない。
欧州の基本的な思想です。
ただ、便利だからというだけでアスファルトを安易にひいてはだめだと思うんですね。


ペンションの案内板。カワイイでしょ。
近頃の美術大学では、グラフィックデザインをフォーマット化し過ぎだと少し思います。
誰がデザインしても同じようなものが多すぎです。教育だけは、システム化すれば弊害が最もおこり易いものです。









近頃ではデザイナーじゃなくても、センス良い人ならテンプレートを使えばデザインはできちゃいます。美大に行く人には個性と手で生み出されるもの、そして伝統の考え方(人が人の為に何百年と考えてきた英知の集大成)を丁寧に学んでいってほしいですね。
きっとこれだけフォーマット化されてしまった世界では、今後そういったものこそ、美大生に求められていくものだと思います。








グランガルルを卒業したら、一緒にヨーロッパへいきましょう。







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